萌美のストーリー

『萌美お姉ちゃぁぁん！！　助けでぇぇぇぇ～～！！』

『ちょっと姫良梨！！
日曜日くらい健太の乳首いじめるのやめなさい！！』

健太が私に泣きつき、それを面白がって今日も姫良梨が不敵に笑う。
我が家は平日休日問わず毎日がこの調子。

家は狭くとも心は広く……！！

が、モットーの道明寺家では、
今日も頼りないお父さんの寒いギャグに、お母さんのツッコミが炸裂する。

そんな我が家で毎日バカ笑いして育った私は、
ほれこの通り、男の影は一切なし。

お母さんや友達には同情されるけど、私ってほら、
オシャレして男子とデートとか、あんまりそういうの似合わないしさ！

実際学校に通ってたときは、やっぱ全然モテなかったって言うか、
いつも男子にはネタにされてたくらいだし！

あっはははは！！　ヒーッヒヒヒヒヒ！

はあ……

でもま、あれだよねぇ。
仮に彼氏が出来たとしても、私絶対この調子で爆笑とかして嫌われそう。

『やっぱり私も、もうちょっとだけ女の子らしくした方がいいのかな……？』

そんな風に珍しくおセンチになる、
道明寺萌美（フリーター）の冬が今年も始まるのでした。

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