「よいしょ」

「へ？」

暴れていた沙織ちゃんの動きが止まる。

鏡に映った自分を見て、どんな感想を持ったんだろうか。

「うん、可愛い」

「せ、せ、せ……」

「せんぱぁい！　放してくださいっ、下ろしてくださいぃぃ！」

「まあまあ」

なだめつつ、沙織ちゃんを抱え直す。

「ほら、見える見える〜」

「やあっ、ダメですっ、先輩見ないでくださいっ」

慌てて股間を隠し、両脚をバタつかせる沙織ちゃん。

そのたびに甘い香りが周囲に漂っていく。

酔わされて、首筋をクンクンしてしまいそうだ。

「先輩、放してくださいっ」

「ダメ。あと、手で隠すのもなしな」

「そんな……恥ずかしくて死んじゃいますっ」

「綺麗だよ、沙織ちゃん」

「あ……」

鏡に映った自らの性器を見て、釘付けになってしまう。

「なかなかないだろ？　こんな風に自分のを見る機会なんて……」

「や、やっぱりダメですっ。恥ずかしいですよぉっ」

「沙織ちゃんは、まだ毛も生えてないんだな」

「わ、わたしが子供なわけじゃないですっ。
　お姉ちゃんも生えてませんからっ」

「先輩が？」

「はい……うちの家系というか、
　お母さんも生えてないみたいで……」

「…………」

なんて素晴らし……いやや、ありえない一家だ。

しかし、あの先輩までがツルツルって……

「せ、先輩っ……なんか、鼻息が荒いですっ」

「沙織ちゃんは、優良な遺伝子を受け継いだんだな」

「先輩の言ってること、難しくて分からないですよぉ」

強い使命感に駆られる。

俺は男として、このツルツルの血筋を絶やすわけにはいかない。

「沙織ちゃん、ここでしてもいいか？」

「え……するって何をです？」

「エッチなこと」

「え、エッチなことって！」

「まあまあまあ」

おもむろにズボンのファスナーを下げ、
反り返ったペニスを露出させる。

「…………」

沙織ちゃんは、目を丸くして俺のを見つめた。

「挿れていいか？」

「お、男の人のって……そんなに大きいんですか？」

「じっくり見るのは初めて？」

「はい……わっ、びくって動いた！」

「しっかり、見ててな……」

改めて抱え直し、ペニスの先を小さな割れ目へとあてがう。

「挿れるよ？」

「ああっ、やあっ、先輩っ……」

「目を閉じないで」

「でも先輩のが、にゅるんって……にゅるんってぇ……」

「ああ……気持ちいい……」

ゆっくりと腰を沈めさせ、未舗装のあぜ道を拡張していく。

まだ男を知って間もない産道は、伸縮性に乏しく、
俺の全てを呑みこむことはできない。

「沙織ちゃんは痛くないか？」

「はあっ、先輩、動かないでくださいっ……
　にゅるんってしないでくださいっ」

「すごいな、沙織ちゃんの……あんなにぱっくり開いて……」

「ん……ふっ…ん……ぱっ…くり？」

「ああ。見えるか？」

「はあ……はあ……先輩のが……わたしの膣内に……」

虚ろな瞳が、鏡に映った結合部へと向けられる。

思考が鈍っているのか、どうも反応が薄い。

……と思いきや。

「さ、刺さってます！　先輩のがわたしに！
　串刺しじゃないですかぁ！」

「まあまあまあまあ」

この体勢でなだめるのも大変だ。

「先輩、おかしいですっ。
　こんなところで赤ちゃんをつくるなんてっ」

「別に、赤ちゃんをつくるためにしてるわけじゃ……」

「それって、どういうことですかっ！」

「遊びですか！　わたしとは遊びで付き合ったんですか！？」

「だから……」

「そうなんですねっ。わたしは散々弄ばれた挙げ句、
　食べ終わったコンビニ弁当の容器のように
　捨てられるんですねっ」

「いや、捨てないから。とりあえず、落ち着いてくれ」

「そんなこと言って、また大きくなってるじゃないですかぁ！」

「それは、沙織ちゃんのことが好きだからだって」

「え……？」

ピタリと動きが止まる。

「赤ちゃんはつくりたいけど、沙織ちゃんは学生だからな」

「こ、子供扱いしないでくださいっ。
　わたしだって、もう大人ですっ」

「それは分かってるよ。でも、沙織ちゃんはまだ１年生だろ？」

「はい……去年までちゅー……」

「ああ、言わないでいい！　理解した！」

「……？」

去年まで、ちゅーもしたことがなかったそうだ。
ほんと子供だな！

そして一年後、こんなことになってるわけだが。

「……先輩は、赤ちゃんが欲しいんですか？」

「まあ、ゆくゆくは」

そして沙織ちゃんには、無毛の娘を産んでもらわなければ……

……

いや。まったくもって、他意はない。